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yamamoto
山本 久美子
2016年2月19日 (金)

億超え365戸の目黒タワーマンションがわずか4カ月で完売した理由

億超え365戸の目黒タワーマンションがわずか4カ月で完売した理由
写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子
平均価格1億1434万円、分譲した661戸中365戸が1億円以上という「Brillia Towers 目黒(ブリリアタワーズ目黒)」が、販売から約4カ月で全戸完売したという。確かに注目されたツインタワーマンションだったが、予算的に購入できる人が限られることを考えると、これほど早く完売するとは思っていなかった。そこで、早期完売の理由を探ることにした。

小さめ住戸、一般的な広さの高額住戸、かなり広い超高額住戸とバリエーションが多い

まずは、「ブリリアタワーズ目黒」で販売された、ノースレジデントとサウスレジデント合わせて661戸の概要を確認しよう。
・販売価格:4850 万円~4億5900 万円(平均販売価格:1億1434 万円)
・専有面積:30.05 m2~150.11m2(平均専有面積:62.81m2
・間取り:STUDIO~3LDK

筆者がモデルルームを見学した際には、72.49m2と85.53m2の「Executive」タイプ、101.73m2の「Premium」タイプの計3つあり、ほかにSTUDIOタイプのキッチンや浴室などの設備展示のコーナーなどがあった。つまり大きく分けると、STUDIOタイプなどの小さめ住戸(価格は5000万円台~7000万円台が中心)、ファミリー向けの広さのExecutive住戸(多くは1億円以上)、広めで高額なPremium住戸(2億円以上)の3つにグルーピングできるようだ。

【画像1】「Executive」タイプのモデルルーム(85.53㎡)(写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

【画像1】「Executive」タイプのモデルルーム(85.53m2)(写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

【画像2】左:「Premium」タイプのモデルルーム(101.73㎡) 右:STUDIOのキッチン・浴室等の展示コーナー(写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

【画像2】左:「Premium」タイプのモデルルーム(101.73m2) 右:STUDIOのキッチン・浴室等の展示コーナー(写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

となると、「小さめの住戸は投資目的の購入が、高額住戸は海外の富裕層の購入が多かったのではないか?」などの疑問が浮かんでくる。実際はどうだったのだろうか?
販売を担当した東京建物の鹿島康弘さん(住宅営業第二部営業グループ課長)に詳しく伺った。

実際に住まいとして利用する人が過半数、投機よりは資産形成目的が主流

鹿島さんによると、全体では居住が45%、セカンドハウス利用が18%で合わせて63%が、実際に購入者が利用するための購入だった。ほかには、投資目的が29%、節税目的などが類推できる親族用という割合が8%だったという。

ただ、30m2台・40m2台のSTUDIO~1LDKの間取りの住戸に限ると、実際に利用するのは3~4割程度まで下がる一方で、2LDKになると6割程度、3LDKになると8割程度にまで上がり、広くなるほど居住目的で購入する層が多くなっている。

とはいえ、この物件を賃貸化した場合の利回りが特によいわけでもないとういうことで、「賃貸収入や売却益などで利益を得ようといった投機的な目的というより、現金で持っているよりは手堅い不動産を購入して、バランスのよい資産形成をしようとお考えの方が多いように感じます」と鹿島さん。

では、海外からの購入についてはどうだろうか?
外国籍の購入比率は6%程度で、なおかつ日本に仕事や住まいの拠点のある方が実際に利用するために購入したというのがほとんどで、それ以外というのは全体の1~2%に過ぎず、インバウンドが特に目立つわけではないという。

それより目立ったのは、法人の購入が15%あったこと。資産運用会社と思われる会社も多く、富裕層の資産形成という側面が強いことが、このことからもうかがえると鹿島さんは指摘する。

購入者の年齢とも関係があり、30代~40代は居住するための購入が多く、全体の約半数を占める50代~60代は、例えば抽選に漏れたら面積の小さな別の住戸にも申し込むなど、住むだけでなく保有することに重きを置いた買い方をする人が多かったという。

超都心の富裕層にも高く評価された理由

では、どこに住む富裕層が購入したのだろうか?
ブリリアタワーズ目黒は、名前のとおり最寄駅は目黒駅だが、住所は品川区となる。地元の品川区在住者の購入比率が約13%であるのに対し、港区在住者も同じく約13%と多く、次いで隣接する目黒区在住者の約10%となる。地元エリアだけでなく、白金や3Aと呼ばれる麻布・赤坂・青山などの超都心といわれるエリアの富裕層が購入していることが大きな特徴だ。

【契約者の概要】
年齢:50歳台(全体の約25%)、60歳台(同約24%)、40 歳台(同約17%)
家族数:2人(同約42%)、1人(同約33%)
職業:会社役員(同約33%)、会社経営(同約14%)、医師(同約13%)
居住地:品川区(同約13%)、港区(同約13%)、目黒区(同約10%)
※東京建物プレスリリースより

なぜ、超都心部の富裕層が購入したのだろうか?
「JRや東京メトロなど複数路線が利用でき、駅から1~2分という交通利便性の高さに加え、山手線の内側の中でも大規模マンションの供給数が少ないエリアであるという希少性が評価されている」と鹿島さんは分析する。大量供給などによる価格の変動リスクが少なく、手堅い資産として評価が高いと考えられるからだ。

さらには、かつて「花房山」と呼ばれ、強固な地盤の南側に傾斜する高台に立地しているため、伝統的な邸宅街としての条件を満たしている点も見逃せない。

【画像3】現地周辺の地図。目黒駅至近に立地する(画像提供:東京建物)

【画像3】現地周辺の地図。目黒駅至近に立地する(画像提供:東京建物)

【画像4】標高約27m~29mの高台に位置する(画像提供:東京建物)

【画像4】標高約27m~29mの高台に位置する(画像提供:東京建物)

平均倍率は4.1倍だったが、倍率の高い人気住戸は2LDK(53m2)の7890万円の住戸や1LDK(42m2)の5990万円の住戸で、43倍や29倍という高い倍率がついた。これは手ごろで比較的割安感のある価格で、販売戸数も少なかったためと考えられる。しかし、港区や品川区の富裕層は3LDKの広い住戸を購入する場合が多かったという。

ブリリアタワーズ目黒の竣工予定は、2017年12月上旬。現地は手前に建つ商業ビルが建ち上がったところで、ツインタワーマンションについてはまだ時間がかかる。約2年後に竣工した時点で、目黒駅周辺はこれまでと違う顔を見せるだろう。

【画像5】左:写真左手に見えるのが、敷地内に建つ商業ビル。目黒駅正面出口と道路をはさんですぐの立地だ 右:建築中の現地の様子(写真2点とも2015年12月に撮影)(写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

【画像5】左:写真左手に見えるのが、敷地内に建つ商業ビル。目黒駅正面出口と道路をはさんですぐの立地だ 右:建築中の現地の様子(写真2点とも2015年12月に撮影)(写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

●取材協力
東京建物株式会社
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