お話を伺ったのは、マッキンゼーでコンサルタントとして活躍された、センジュヒューマンデザインワークス代表取締役の大嶋祥誉さん。大嶋さんによると家づくりに応用できるビジネス戦略は、6つのカテゴリーに分けられるようだ。
凄腕コンサルタントのビジネス戦略を家づくりに応用
1.ゼロ発想:問題に直面した場合、常にゼロから考え直すこと
2.ファクト収集:基礎的な情報を質を重視して集めること
3.ロジックツリー:問題を細分化し、全体像を見ながら考えるツール
4.タスク整理:重要度×緊急度などの切り口で優先順位をつけること
5.俯瞰視点:すべての対象を一段、高いところから見渡す視点
6.見える化:資料などを使い視覚的に理解できるようにすること

【画像1】疑問や不安を解消するために、凄腕コンサルタントのビジネス戦略を家づくりに応用する(HOUSING編集部)
今回は、「3.ロジックツリー」と「4.タスク整理」の2つの手法を紹介しよう。
家づくりとは、家族みんなの未来の住まいをつくること。まず、どんな家にしたいのか、家族みんなで意見を出し合おう。そのときには、今の暮らしだけを基準に考えないよう注意する。子どもがいれば、その子の10年後や20年後を想像してみる。両親が健在なら、20年後には同居して介護するかもしれない。未来は今と違うのだ。
もちろん、子どもには自由に夢を描いてもらえばいい。みんなが求めているのは、どんな住まいなのか。先々の変化までを見込んだ上で、希望をすべて書き出そう。
同時に、できる限り幅広く情報を集めたい。例えば、住宅メーカーのカタログで「これは!」と興味をひかれたものがあれば迷わず請求しよう。カタログでイメージがついたら、モデルハウスにも行ってみること。
そんなことをしているうちに、新居で実現したい要素が少しずつ具体的に見えてくるはずだ。みんなの夢、カタログなどで集めた情報を合わせて、新しい家では何がいちばん大切なのかを話し合おう。このプロセスではロジックツリーを使う。
全員が一致するテーマを決めたら、それを具体的な要素に分解していく。各要素を、さらにリアルなモノや状態へと詰めていく。これで理想の住まいが、現実的な要素の集合体になるはずだ。

【画像2】ロジックツリー(HOUSING編集部)
ロジックツリーに書き出した要素を、すべてクリアすれば望み通りの住まいが実現する。とはいえ、現実問題としては予算との兼ね合いを考えなければならない。限られた予算の中で、可能な限り理想に近づけるには、要素に優先順位をつけることだ。
そこで「重要度・コストマトリックス」を使おう。タテ軸を重要度、ヨコ軸をコストとして、各要素を「コストはかかるが重要」「低コストで重要」「高コストな割に重要ではない」「低コストだが重要でもない」のどれかに振り分ける。
このときも、現時点での重要度だけで考えないこと。家族全体で、夫婦にとって、子どもの将来にとってと基準を変えて何度も考え直してみること。
ここまで来れば、理想の住まいはかなりクリアになっているはず。そこで集めたカタログなどから理想に近い写真や図を探して、具体的に見える形にしてみよう。
新しい住まいの間取図を描き、各部屋のイメージに合う写真を貼り、置きたい家具や補足メモなども添えておく。これを見ながら、家族でもう一度話し合えば、求める住まい像はほぼ固まってくるはずだ。自分たちの希望が目に見える形にまとまったら、それを元に依頼先に相談しよう。

【画像3】重要度・コストマトリックス(HOUSING編集部)
取材・文/竹林篤美
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