ねんきん定期便談合が打撃、ビジネスフォーム印刷手がける業者が倒産した顛末
ビジネスフォーム印刷を手がけていた日本電算機用品は、2025年12月17日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。
同社は1943年3月に創業し、55年10月に法人改組された印刷業者。請求書や注文書、公共料金の納付書、振込用紙などの各種ビジネスフォームの印刷から、得意先企業の発送データなどの編集、加工、印刷、封入封緘(ふうかん)、局出し・納品まで一貫したサービスを手がけるほか、不動産賃貸業も行っていた。本店のほか、府中、平塚、名古屋、富山に営業所、山梨には工場と営業所を構え、日本年金機構のほか各自治体からの安定的な受注を確保した2009年3月期には売上高約20億100万円を計上していた。
しかし、ペーパーレス化の影響など印刷業界全体で需要の落ち込む中、同社においても同様の影響を受け、売り上げは漸減傾向にあった。また、利息負担が重く赤字体質となる中、16年には当時の中小企業再生支援協議会に支援を依頼したものの、実行には至らなかった。
近年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、在宅勤務の定着や資料の電子化、電子決済サービスの普及により紙需要がさらに減少。22年に「ねんきん定期便」に関する談合問題で課徴金納付命令を受けたことも加わり、事業環境が大幅に悪化し、24年同期の売上高は約7億4900万円にダウン。2期連続で経常赤字となった。
こうした中、印刷の外注など経営改善策を検討したものの奏功せず、返済のめどが立たなくなるなど資金繰りに窮したことや、引き続き紙需要に回復の見込みがないことなどから、印刷事業継続を断念。25年3月14日に債務整理を弁護士に一任、印刷事業を廃業していた。
その後は、不動産事業を継続した上で各債権者に対し分割返済を行う計画だったが、大口債権者と合意に至らず、私的整理は頓挫。新たな代理人を選任し、同12月10日に東京地裁に自己破産を申し立てることとなった。(帝国データバンク情報統括部)