Cohesityの日本法人であるコヒシティジャパンは3月24日、代表執行役員社長に任命された田中良幸氏の就任説明会を開催した。同氏は1月13日付で就任し、日本市場における営業戦略やオペレーション、実行全般を統括し、官公庁および民間企業の顧客基盤の拡大を推進している。
同氏は冒頭、「Cohesityは日本市場でこれから相当な投資をする。その先導役として着任した」と自身の立場を説明した。

コヒシティジャパン 代表執行役員社長の田中良幸氏(左)と執行役員 フィールドマーケティングマネージャ&戦略担当の高井隆太氏
Cohesityは、2024年12月にバックアップ市場で強みを持つVeritasのデータ保護事業と統合し、AIを活用したデータセキュリティ市場をリードしており、現在ではエンタープライズベースで世界に1万3000社の顧客を抱えている。また、田中氏は「当社は、同業他社に比べて売上からの投資額が倍以上であることが特徴だ」と述べ、技術への投資を惜しまない社風を強調した。
日本市場へのコミットメントとして、同氏はまず「Cohesity Japan株式会社」から「コヒシティジャパン合同会社」へと変更したことを明かした。これは、日本の顧客やパートナーにとっての親しみやすさと、ブランド認知度の向上を目的としたものだ。また、同社は今後、日本市場における認知度拡大に向けたブランディング活動を大幅に加速させる方針だという。
加えて、パートナーシップの強化も行う。従来のリセールを中心とした関係から、ソリューションを共同で組み上げるメッシュ型のパートナーシップへと進化させるという。特に、バックアップデータをAIで検索・活用できるプラットフォーム「Gaia」の認定ハードウェア・パートナー制度など、新たなエコシステムの構築を順次発表していく予定だ。

パートナーシップ強化
さらに、日本企業のデータ保護を促進するためのキャンペーンを展開するという。同社のサイバーレジリエンス対策パッケージのお試し版を特別な価格で提供するほか、「Microsoft 365」と「Entra ID」向けのサイバーレジリエンスを特別価格で提供する。また、他社製品から乗り換えた場合、「Cohesity Data Cloud Core」ライセンスを特別なオファーで提供する。

日本市場へのコミットメント
日本でもサイバーレジリエンス強化が大きな課題となっている。田中氏は、Cohesityのグローバルサイバーレジリエンス調査レポートを取り上げ、「日本企業の98%がサイバー攻撃後にバックアップデータからデータを復旧するのに24時間以上かかっている」ことや、「被害を受けた組織の88%が身代金を支払っている」ことを挙げた。
加えて、昨今ではAI導入に伴うリスクも課題となっている。AIエージェントが企業内に急速に普及する一方で、組織の対応が追いつかず、新たな脆弱(ぜいじゃく)性や設定ミスによるインシデントの懸念が高まっており、AIエージェントのリスクへの対策が不可欠だと説いた。企業の最も大切なデータを保護した上で、サイバー攻撃から迅速に復旧し、生成AIのために非構造化データから安全に価値を引き出せるプラットフォームが現在の企業には必要になる。
そこで同社は、AIインフラストラクチャー防御とエージェントリスク対策を両立し、信頼できる企業データで安全なAI活用基盤を実現するために「エンタープライズAIレジリエンス戦略」を発表した。
コヒシティジャパン 執行役員 フィールドマーケティングマネージャ&戦略担当の高井隆太氏は、同戦略について「これまで、バックアップやサイバーレジリエンスで防御し、復旧するようなソリューションだったが、この防御の観点にAIのエージェントリスクを入れている」と説明した上で、「AIエージェントはもはや企業にとって重要なアプリケーションの一つになっている。これらを企業内に展開するに当たって、従来のデータやシステムに対する保護・リカバリーの考え方は通用しなくなっている」と指摘する。
AIエージェントはマシンスピードで広範なデータにアクセスし、従来のアプリケーションやデータベースとは比較にならない速度で展開される。そのため、万が一エージェントが停止した場合や、悪意ある攻撃、設定ミスなどによって復旧が必要になった際、従来のバックアップや復旧の概念ではもはや通用しない。AIエージェントの利用にあたっては、その特性に最適化された「AIに特化した保護」が不可欠となる。
また、単にデータを安全に蓄積し、確実に復旧できる状態にとどめるのではなく、データをビジネスに活用できる状態へと昇華させることが戦略上の要諦となる。AIのために最適化され、信頼を担保されたエンタープライズデータを有効化することが重要になる。


